運 (小説) (Un (Fortune, a novel))
『運』(うん)は芥川龍之介による初期の小説である。
1917年(大正6年)1月、「文学世界」に発表された。
芥川の第1創作集「羅生門 (小説)」に収録された。
出典は『今昔物語』巻十六「貧女清水観音値盗人夫語第三十三」である。
目先の変わった物語であるが、原作の筋をほぼそのまま踏襲している。
芥川は、物質的な幸福だけを真の幸福と考える若侍と、精神の内部における幸福を最大視する翁と、この相対する二つの型の人間の会話を最後において、種類の異なった幸福感を示し、原作に多少の綾を付与した。